プエンテフエンテ20041

 

スペイン語の音節

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     個人的見解から申し上げると語学学習と言うものは大変根気を必要とするものだなあ、と感じました。特に視覚的言語の日本語、中国語、韓国語を母国語としている私たち日本人や隣国韓国人、中国人にとってスペイン語を学ぶそしてマスターすることは大変な努力が必要と思います。というのも、スペイン語と日本語の文法的および語彙的共通点は非常に少ないからです。英語が苦手だった私は、スペイン語は発音が簡単だから勉強しやすいのではないかと簡単に考えていましたが、確かに日本人にとってスペイン語は英語やフランス語より発音しやすい語学かもしれません。それでも現実はそんな私の甘い考えとは反して、英語の発音のRLを使い分けれる人や、英語に長けた人にとってはスペイン語の学習は遥かに容易なことと思います。

     日本語の特質として、同音異語が沢山あるゆえに私たちは視覚の手伝いによってその意味を確認していますが、例えば話しているときでさえ頭の中で無意識に漢字を思い起こしているのではないかということをスペイン語を学び始めてから思いました。というのは、スペインにグループ学習旅行に来た時みきこチャンと成田空港で初めて会って、みきこちゃんと言う名前の響きだけが頭にインプットされたものの、美樹子という漢字は記憶されていなかったわけです。記憶と言うものは大変不思議なもので、漢字を持つ日本人にとって会った人の名前を覚えるのに目の記憶と耳の記憶を同時に使うのでしょう。それに反して、スペイン語は耳だけです。スペイン語にも確かに同音異語はありますが、それはフレーズの前後関係でどちらなのか判断するようです。目の記憶の助けを借りている日本人の聴覚は余り卓越されにくいのではないかとも思います。日本人の聴覚が西洋人の聴覚より劣っていると申し上げるのではありません。つまり生まれた時からある部分の細胞を使わないと鈍くなるというか、使われないまま体の奥深くに眠ったままの状態でいるのではないかと思うわけです。人間の体というものは本当に不思議なもので、細かい手先仕事をする人は手先が器用なように音楽を職業としている人は、そうでない人が見極めないホンの些細な音階の違いを聞き分けるものです。このように日本語より音節の多いスペイン語を用いるスペイン人の聴覚はその数が多い分聴覚の細胞を使っていると言うことでしょう。スペイン語を知る前は、こんなに音節が多いものとは知りませんでした。単に日本語は50音、スペイン語は27アルファベットと思っていましたが、音節の部分から見るとスペイン語のほうが断然多くなり、日本語には無い発音がかなり混ざってきます。又スペイン人にとって英語発音で発音しにくいのは s とzで、だいたいzは英語のthと同じ発音をするので、スペイン語には日本語のざ・じ・ず・ぜ・ぞと言う音はありません。

     以下に音節の一部を並べてみたいと思います。

母音          a e i o u

二重母音 ai, ay    au  ei, ey   eu  oi oy  ou    ia  ie  io  ua  ue  uo  

三重母音 iai   iei  uai-uay   uei-uey

子音+母音 ba  be  bi  bo  bu  ca ce ci co cu  cha chi chu che cho da de di do du fa fe fi fo fu  ga gue güe gui güi go gu  ja je ji jo ju  la  le li lo lu lla lle lli llo llu ma me mi mo mu na ne ni no nu  ña ñe ñi ñe ño pa pe pi po pu qui qüi que qüe ra re ri ro ru rra rre rri rro rru sa se si so su va ve vi vo vu  xa xe xi xo xu ya ye  yo yu ay ey oy uy  za  zo zu

二重子音+母音 pla ple pli plu ple     bla ble bli blu blo       cla  cle cli clo clu       gla   gle  gli  glo  glu       fla  fle  fli  flo  flu    pra pre  pri pro pru    bra bre bri bro bru    tra  tre tri tro tru     dra  dre dri dro dru     cra cre cri cro cru    gra gre gri gro gru      fra fre fri fro fru 

音節はこれだけではもちろんありません。音節を数えるのにちょっと疲れた私は、パンを買いがてら家の近くのパン屋さんのホセ君にスペイン語の音節はいったい幾つあるの、と尋ねたところ、いつも笑顔の絶えない彼は少し真面目な顔つきでしばらく考えてから、それは1000はあるだろう(スペイン人の表現には1000とはたくさん数え切れない数の意味を成します。)と答えました。日本でもおなじみのパンpan はこの言葉一つが音節となり、こうしたpa + nの形式をたどる音節は数多くありますので、(pa+r, pa+l, pa+s, pa+z, pa+c, pa+d…….スペイン語の音節の総計はmil (1000)と言ったホセ君の言い分は正しいのかもしれません。

     ドジな私のスペイン語歴は長いですが、この日本語とスペイン語の音節の違いについて気がついたのは大分後で、今ごろになってrlや、fjcz発音の違いを気にかけながら話す昨今ですが、スペイン語を習い始めにちゃんと音節についての知識と練習をして置けばよかったなあ、と後悔しています。スペイン言語学者が言うところではスペイン人は黙読する際でも、頭の中で発音しているというのです。不思議なもので、こういった発音の違いを気にし始めてから以前は書くときに間違えなかったスペルを間違えてしまうのは、視覚で覚えたのを無視してきっとドジな聴覚のみにに頼ったせいなのだからと思います。スペイン語を習い始めた方、又始めようという方々には私のようなドジなにの前を踏まないように望みます。

 

蛇足その1

5歳になったルシアちゃんは、アルファベットを習い始めて、ア、ベ、セ、デ、エ、エフェ....と上手に難なく全部いえるようになりましたが、その後音節の練習が始まってとある壁にぶつかりました.スペイン語ではMをエメと発音しますが、mと母音aが一緒になるとどうして マとなるのか彼女には理解できなかったのです.このルシアちゃんと同じ体験をした人はたくさんいるかもしれませんが、ガブリエル・ガルシア・マルケスもその一人だったそうです。彼の最新刊の自伝『人生を語るために生きる』の中に書いてありました。

 

 

蛇足 その2

  エル・レアル・マドリードのスペイン語圏以外の外国人サッカー選手の殆どはラテン語から発祥した母国語を持つ人が多く、ロナウドやロベルト・カルロスはブラジルのポルトガル語ですし、シタン選手はフランス語、フィーゴはお隣の国ポルトガルから来ましたし、彼らにとっては言葉の問題は余り無く、マスコミのインタビューでは流暢にスペイン語で答えるのが常です。反対にバルセローナのチームにはたくさんオランダ人選手がいましたが、彼らの場合も割りと早くスペイン語を身につけていましたけれど、さすがにラテン系語圏の人とは差が付きます。同じ観点から言えることは、同じ日本人がスペイン語を習っていても、英語を良く知っている人とそうでない人との差というものは明らかに現れます。というのもスペイン語には沢山英語と似ている言葉がありますし、文章構成も基本的には似ているからでしょう。マドリードで外国人にスペイン語を教える教師がいつかこんなことを言っていました。「基本的にヨーロッパ言語を母国語に持つ人に言えることだけれど、母国語のチャンとした知識がある人はスペイン語の理解や使いこなしが断然早い」と。又スペイン人に英語を教えるマルガリータ女史はこんなことも言っていました。英語の文法を説明する時にスペイン語文法との比を例として出しても、スペイン人学徒のスペイン語力の低下でそれも儘ならない」と。どちらにしてもヨーロッパ言語の共通点を語った逸話でしょう。

フランス人のシタン選手は、余りお喋りのタイプではなく、着いた当初はスーパースター選手の到来にこぞって記者たちはインタビューしたがりましたが、僕はフランス語でさえ余り話さないよ、といっていた彼でしたが、ロナウドの到着で注目の的をすり抜けた時期、試合後のインタビューでどうしていつもフェアープレイヤーの彼が足蹴りをしたのかいう質問に対して、彼はスペイン語でこう言いました。『彼が最初に芋(patata, patada足蹴りといったつもりだった。)をくれたからお返ししただけなのさ』と答えました。でも彼が本当にpatata patada を間違えたのか、それともpatadaといったつもりでも発音できなかったのか定かではありませんが、フランス人は口を閉じ気味に話すのに対して、スペイン人は口を大きく開けて話すのでそんな特徴からの間違いではなかったでしょうか。

イギリス・リーグから初めて外国リーグへと移籍したベッカン選手はいつもインタビューは英語で行われていますが、スポーツ選手の外国語マスターの早さの特徴に外れず、もうすぐスペイン語で話す彼の姿をテレビで見れるのをスペインのサッカーファンは楽しみにしています。

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